そういえばあれから一週間後

最も繁忙期の第4四半期、素晴らしい志のお客様からご相談をいただいた、やりがいのあるプロジェクトに恵まれ、いい年度の終わりを迎えられそうな、そんな心地よい緊張感のある時間が突然止まってから、ちょうど一週間が経った。

私が中学・高校を過ごした仙台がかなり揺れたことは地震後すぐにわかり、続く津波の第一報にも、あの地震ならばおそらく津波も小さくないことはわかっていたので、心が落ち着かなかった。続いて入ってくる被災地のニュースに出てくる地名は、私に取っておなじみのものばかり。それだけでも唖然としていたところに、一番起きてほしくなかったリアクターの事故。しかもその対応をしている私の親しくしている方の懸命な姿がテレビのニュースに映り...これは現実なのだろうか。
でも、震災後の対応や進行中の事故に対して、今の自分にできることは、ほとんどない。
とするならば、報道を見て悲嘆にくれていても、単に無責任な傍観者の立場で物語を消費しているだけだ。


「日常を取り戻そう」ーそう決めた。一気には無理だとしても、少しずつ、着実に。
ならば、悲嘆にくれて、自粛モードに浸っている場合ではない。
やりかけの仕事を進めよう。読みたかった本を読もう。行きつけのお店でおいしいものをいただこう。そう、まず自らの心身を健全にしよう。


地震の当日は安否確認、同僚の帰宅、帰宅できない同僚の食事の確保...週が開けてからは、プロジェクトのリスケジュール、取締役会の中止と事後対応、社員の自宅勤務体制の確立、オフィスの連絡対応、判断が悩ましいある件での株主との調整...それに加えて、よりによってこんなときに、某銀行のシステムトラブルにともなう給与振込の対応...そんな「日常ではない」タスクが次々と発生したが、きわめて優秀な同僚の多大な力のおかげでそれらを着々とこなしているうちに、週の終わり頃には、一週間前の、あの心地よい緊張感のある時間がようやく取り戻せた。


そして週末。自分自身の日常も取り戻してから、今回の震災の被害を改めてみていた。
人間の営みとは全く異なる次元の主体が、圧倒的な力で暴力的に「日常」を奪っていく....まさに「不条理」だ。

「不条理」に対しては、それにつまらないドラマや解釈を加えずに、そのまま「不条理」として受け容れるしかない。その上で、合理的な思考を使いながら、優先度が高いアクションを、一歩一歩進めて行くしかない。


そこで私の第一歩。まずは、遅ればせながらだが、被災者救済のための募金だ。
私は、勝間和代さんの情報を参考に、JENさんに募金をした。

私の同居人は、上田壮一さんのThink the Earthさんに募金をした。

私ができる、もっと大きな貢献は、震災後モードが終わってからのはず。
そのためのプロジェクトのアイディアも、そろそろ同僚と相談をはじめよう。