そういえばGuiding Principles

Marvin

マッキンゼーをつくった男 マービン・バウワー」を読む。

以前彼が創ったファームにいたとき、あの何とも言えないプレッシャーの下で試行錯誤をしているうちに、いつのまにか自分の中に染み込んできて、今の私の日々の仕事の中での判断にも大きな影響を与えているGuiding PrinciplesーそれらがいかにしてMarvinのアスピレーションの中から芽生え、ファーム創業期の模索の中で確立され、ファームの拡大とともに世界各国に広がり、ファーム自身はもとより、クライアント企業および卒業生の企業も導いていったかが、この本の中で、それこそファクトベースで丁寧に紹介されている。

そういえば、ちょうどファームに在職していたときにMarvinの死を悼むメモが配られ、そのあっさりとしたトーンに意外な印象を持った記憶があったが、この本を読んでその謎が解けた気がする。経営者に対する個人礼賛こそMarvinが何よりも嫌った「上への無批判な服従」であり、「階層にとらわれないファクトベースのディスカッションにより問題が解決される場」こそがMarvinが求めた企業の理想的な在り方であるとするならば、Marvin Bowerという固有名詞がごくごく控えめにしか言及されず、むしろ各国オフィスの個々のメンバーの日々の実践の中でGuiding Principlesが強く再確認され続けている今日のファームの在り方こそが、Marvinのアスピレーションが具現化され、生き続けていることを証明している。

「グローバルなプロフェッショナル・ファームを創る」とはこういうことなのだな、と改めて感じた。
今、このタイミングでこの本を読んで、本当によかった。