そういえばよくある買回り品の購買行動

gilles-nao2008-07-15

いまどきのよくある買回り品の購買行動を以下ご紹介します。

  1. 平常時の接触: 「Dyson」=すごそう(同居人+私)、「Henry」=かわいい(同居人)、でも今の掃除機で不満はないし...(同居人+私)
  2. きっかけの発生: 先々週の木曜日、長年愛用していた「Electrolux」の掃除機が充電できなくなっているのが判明。故障の修理を問い合わせるが、たらい回しな感じの対応をされる。結局日曜日に、購入した家電量販店Bに修理に持ち込むこととなる。
  3. 検討セットの形成: 故障の修理の問い合わせとともに、修理代が高いことを想定して、「Electroluxの後継機」「Dyson」「Henry」が想起セットに挙がる。家電量販店Bに現品を持ち込んだ帰りに、掃除機売り場で「Roomba」のデモに接触し、「あ、昔ちょっと興味を持ったときより安くなったな」という印象を持つ。あと、デモの説明の「地雷除去」エピソードは、巧妙に「物語性」をつくっていましたね。
  4. 考慮セットの形成: 「Dyson」は実機を見て、我が家の掃除にはオーバースペックな印象があり考慮から外れる。「現在使用している掃除機(修理)」「Electroluxの後継機」「Henry」「Roomba」が考慮対象だったが、このときは「Electroluxの後継機」「Henry」がやや有利だった。
  5. 考慮セットの絞り込み: 先週の前半は、「Henry」の実機を見たいという話が盛り上がったが、ショールームの場所を調べたらちょっと立ち寄りにくいところにあり、スペックを見るとスペースをとりそうな感じもしたのでやや不利になる。ウェブサイトでAmazon価格.comのレビューなどを見ているうちに、徐々に「Roomba」が第一候補となる。
  6. 最後の一押し: 先週の木曜日には「Roomba」の価格比較を開始。金曜日の夕方には、協業している会社の方との雑談の中で「Roomba」購入話に接触する。その日の夜には、「You Tube」にアップされている「Roomba」の動画を同居人と見て楽しむ。同日昼にはすでに、現在使用している掃除機の修理代が予想通り高いことが判明していた。
  7. 購入一歩前の挫折: 先週の土曜日は忙しく、日曜日にAmazonと家電量販店B社の通販とがポイント還元を考えるとほぼ同じ条件であることから「その日に入手」にこだわり、家電量販店Bを覗くが、実店舗だとポイント還元がそれほどよくないことが判明し、そのまま帰宅した。
  8. 購入: 昨日は夜遅く帰りそのままだったが、今朝になってAmazonを見てみると、会社に行く前に注文すれば、「Amazon Prime」で今日中に届くことが判明。たまたま今日は早く帰れそうな予定だったので、そのまま注文した。

てな経緯で、いま私がこの文章を書いている部屋では、「Roomba 570」が充電モードで出動を待っているところです。
ね、いかにもいまどきのよくある買回り品の購買行動でしょ。
鍵となるレバーは、「リアルな接触体験による考慮セットへのねじ込み」と「ウェブ上の第三者情報に接触させることによる検討時の盛り上げ」と「リアルな口コミに接触させることによるプッシュ」ですね。
そういえば、先週の土曜日の学会で、「これからのマーケティング・コミュニケーションはどうなるのか」というご質問をいただいたときに、「パブリック・リレーションズが改めて見直されるだろう」と反射的にお答えしたのですが、確かに三つのレバーのうち二つは、パブリック・リレーションズなんですよね。