そういえば日本経済

この週末は久しぶりに土日とも予定がなく、久しぶりにゆっくりしようと思ってはいたのだが...私がそう思わないでも、身体が勝手にそういうモードに入ったようで、土曜日の朝から体がだるく、くしゃみが続き、そのまま一日寝込んだ。

今日は多少は生産的な活動をと思い、近所のStarbucksで朝から読書モードに入ったが、体のだるさとくしゃみがだんだん悪化し、お昼頃に一冊読み終えたところでリタイアし、自宅でごろごろしていた。

そんな中読んだのが、facebookである方がお勧めしていたのに興味を持った「日本経済が何をやってもダメな本当の理由」という本だった。

この本のGDPの読み方が面白かったので、少しデータを見て著者の主張を確認してみた。
著者の主張は、ざっくりとまとめると、日本経済は、需要が生産よりも小さいのにもかかわらず、経済成長のための施策が生産設備への投資を過剰にし、その結果、収益性が悪化し、その皺寄せが個人の所得に来て、さらに需要が冷え込む、という悪循環のメカニズムに陥っているというもの。さて、本当なのだろうか。

まず、1980年から2009年までの名目GDP(支出側)の中の総固定資本形成(いわゆる投資額)の金額と割合の推移を見た。


総固定資本形成の金額は1991年までは確かに伸びていたが、それ以後は実は伸びておらず、1998年からはむしろ抑えられている。割合で見ても、1980年代から少しずつだが抑えられているといえよう。そういう意味では、無謀な投資の拡大があったというほどではなさそうである。

次に、1980年から2009年までの名目GDP(生産側)の中の固定資本減耗(いわゆる減価償却費)の金額と割合の推移を見た。


おお、こちらを見ると、確かに著者の主張がはっきりする。
固定資本減耗が金額、割合とも増える一方の、実にいやな推移である。
企業で言えば、減価償却費が上がるが売上が伴わず、その結果が営業利益率が下がってしまい、そのつじつまを人件費の抑制で取ろうとするが思うようにいかない典型的なパターン...

確かに、少なくとも1990年以後の日本においては、残念ながら投資は有効に機能していないようだ。